迫り来る中台危機に備えよ
―― 米中台のレッドラインと危機緩和策
Averting a Cross-strait Crisis
2019年4月号掲載論文
アメリカ、中国、台湾での政治的、政策的展開によって新たな台湾海峡危機が起きる危険が高まっている。中国が1995―96年の危機の時よりも、台北を屈服させるよりパワフルでさまざまなオプションをもっているだけに、リスクは高い。台湾統一は、習近平が重視する「中国の夢」における重要なアジェンダの一部であり、国内での正統性を強化するためにも台湾問題を解決しようとするかもしれない。一方、台湾では台湾人としてのアイデンティティが高まり、一国二制度への支持も低下し、しかも、2020年に総統選挙を控えている。そして、ワシントンはすでに中国を敵視する路線にギアを入れ替えている。状況が悪化していくのを座視するのではなく、それが不可避となった場合にうまく対応できるように態勢を整え、台湾海峡危機を阻止するためオプションを実施できる態勢を整備しておく必要がある。
- 高まる海峡間危機
- 何が危機シナリオを浮上させているか
- 危機の前兆
- アメリカにとっての意味合い
- 紛争を回避するには
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