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北京の宗教政策の意図
―― 宗教・政治・社会のハイブリッドイデオロギー

イアン・ジョンソン ピューリツアー賞受賞作家(在中国)

How the State is Co-opting Religion in China
And What it Means for the country’s Future

Ian Johnson 中国在住のジャーナリスト。ウォール・ストリート・ジャーナル紙の北京特派員記者だった2001年に法輪功に関する報道でピューリッツアー賞を受賞。現在も中国からニューヨーク・タイムズ紙、ニューヨーカー誌などに寄稿している。最近の著作にThe Souls of China: The Return of Religion after Maoがある。

2019年2月号掲載論文

教会の十字架は取り外されて閉鎖され、モスクも解体され、イスラム教徒は収容施設に送られている。しかし、現在の中国は、毛沢東期のように、競合する集団や信仰システムをすべて周辺化するのではなく、むしろ、政府にとって都合のよい民間宗教、仏教、道教などの宗教集団やシステムを取り込もうとしている。要するに、帝国時代と同様に、信仰を許容しつつも、何が正統で何が異端であるかを政府が定義している。人々の信仰にまで立ち入るのは、中国社会が漂流し、シニカルになり、価値を喪失していることを政府も理解しているからだ。宗教と政治が重なり合って社会抗争と暴力を引きおこしているアジアの国と言えば、多くの人はインド、インドネシア、パキスタンを思い浮かべる。だが近い将来に、このリストに中国の国名を見出すことになるかもしれない。

  • 宗教に対するダブルスタンダード
  • 近代化と宗教
  • 優遇と弾圧の区別
  • プラグマティズムへの回帰

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