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自由貿易のパラドックス
―― 政治学と経済学の衝突

アラン・ブラインダー プリンストン大学教授(経済学)

The Free-Trade Paradox
The Bad Politics of a Good Idea

Alan S. Blinder プリンストン大学教授(経済学)。

2019年2月号掲載論文

なぜ自由貿易のロジックは受け入れられないのか。たしかに、貿易の勝者が敗者の損失を埋め合わせても、それでも勝者の取り分は残される。しかし、歴代の米政権は、他国の政府同様に、この理屈に近づくようなことは何一つ試みてこなかった。利益と損失を合計すると、経済的には自由貿易を前向きに評価できるが、政治的にはそうではないことも理由の一つだろう。利益と損失はほぼ同じだが、経済的計算と政治的計算では重視するところが違うからだ。さらにエコノミストは人々が経済の何に価値を見いだしているかを、基本的に誤解しているかもしれない。消費者が安価な商品よりも実入りの良い雇用を望んでいるのなら、貿易に関する一般的理論で市民を説得することはできない。

  • 重商主義と自由貿易
  • 経済学と大衆の認識間のギャップ
  • なぜ説得力がないのか
  • テクノロジーと貿易
  • 異なる世界
  • 販売できるか

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