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次の金融危機に備えよ
―― なぜ危機は繰り返されるのか

カーメン・ラインハート ハーバード大学ケネディ・スクール 教授(国際金融システム)
ヴィンセント・ラインハート スタンディッシュ チーフ・エコノミスト

The Crisis Next Time
What We Should Have Learned From 2008

Carmen Reinhart ハーバード大学ケネディ・スクール教授(国際金融システム)。ピーターソン国際経済研究所シニアフェロー、メリーランド大学教授などを経て現職。ケネス・ロゴフとの共著に『国家は破綻する 金融危機の800年』がある。
Vincent Reinhart スタンディッシュ(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン・アセットマネジメント北アメリカ)のチーフエコノミスト。ニューヨーク連邦準備銀行、連邦準備制度、モルガン・スタレー チーフUSエコノミストなどを経て、現職。

2019年1月号掲載論文

一般的に金融危機は特定の資産価値が暴落し始め、それに引きずられて他の資産の価値が下落することで始まる。広く経済で大きな役割を占めている限り、いかなる資産の暴落も危機のきっかけを作り出す。2007年の危機は、金融危機が「普通のリセッションよりもはるかに大きなダメージを引き起こし、ダメージからの回復にもより長い時間がかかること」をわれわれに改めて認識させただけでなく、「政府が迅速かつ決意に満ちた対応をみせれば非常に大きな違いをもたらせること」も示した。結局、金融メルトダウンがもたらす災難の背後には、貪欲、恐怖、歴史を忘れがちであるという重要な人的要因が存在する。あれほど衝撃的だった直近の金融危機が最後の金融危機にならない理由はここにある。

  • 教訓を生かすには
  • 金融危機後のリセッション
  • 回復への長い道のり
  • 中央銀行の役割
  • 金融危機は必ず再発する

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