Joyce N. Boghosian / Official White House Photo

対北朝鮮外交の破綻に備えよ
―― 「最大限の圧力」を復活させるには

エリック・ブルーアー 新アメリカ安全保障センター 客員フェロー

Can the U.S. Reinstate Maximum Pressure on North Korea?
Washington Needs a Plan B if Diplomacy Fails

Eric Brewer 国家情報会議、国家安全保障会議スタッフを経て、現在は、新アメリカ安全保障センターの客員フェロー。

2019年1月号掲載論文

「核・ミサイル実験の結果に十分に満足しており、今後は核兵器とミサイルの量産に焦点を合わせていく」。金正恩のこの発言が彼の真意なのかもしれない。しかし、すでに韓国と中国は経済制裁措置を緩め、トランプ自身、「北朝鮮の核問題は解決された」と発言している。つまり、外交路線が破綻した場合に、北朝鮮を締め上げるための国際的試みを復活させるのは非常に難しい環境にある。現状での平壌の外交が、経済制裁を緩和させ、自国の核の兵器庫を受け入れさせるための、いつも通りの策略に過ぎないのなら、経済制裁履行のスローダウンは金の思惑通りということになる。「北朝鮮を完全に破壊する」とトランプが恫喝策をとった時代、軍事攻撃の危険があった時代へ回帰していくのを懸念するのなら、適切なタイミングで、より大きな国際的圧力をかける路線へ移行していくことを今から考えておく必要がある。

  • 弛緩した制裁措置と外交的破綻
  • 圧力戦略を支えた三つの支柱
  • 唐突な外交へのシフト
  • 圧力路線を復活させるには

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