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人種的奴隷制と白人至上主義
―― アメリカの原罪を問う

アネット・ゴードン=リード ハーバード大学法科大学院教授

America’s Original Sin: Slavery and the Legacy of White Supremacy

Annette Gordon-Reed ハーバード大学法科大学院教授(法律史)、ハーバード大学教授(歴史学)

2018年2月号掲載論文

依然として、事実上の人種差別がアメリカのかなりの地域に存在する。黒人の大統領を2度にわたって選び、黒人のファーストファミリーを持ったものの、結局、後継大統領選はある意味でその反動だった。歴史的に、肌の白さは経済的・社会的地位に関係なく、価値あるものとされ、肌の黒さは価値が低いとみなされてきた。この環境のなかで白人至上主義が支えられてきた。肌の色という区別をもつ「人種的奴隷制」は、自由を誇りとする国で矛盾とみなされるどころか、白人の自由を実現した。黒人を社会のピラミッドの最底辺に位置づけることで、白人の階級間意識が抑制されたからだ。もっとも貧しく、もっとも社会に不満を抱く白人よりもさらに下に、常に大きな集団がいなければ、白人の結束は続かなかっただろう。奴隷制の遺産に向き合っていくには、白人至上主義にも対処していかなければならない。

  • アメリカの原罪
  • 奴隷制と差別という遺産
  • 白人至上主義イデオロギー
  • 戦争後の展開

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