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サウジのイラン戦略とレバノン
―― レバノンを代理戦争の舞台にしてはならない

ビラル・サーブ 中東研究所 シニアフェロー

Don't Let the Saudis Destabilize Lebanon: Why Washington Should Restrain Riyadh

Bilal Y. Saab 中東研究所のシニアフェローで、同研究所の国防・安全保障プログラムのディレクター。

2018年1月号掲載論文

2016年に政治的な生き残りのために、ヒズボラからの支持を取り付けようとしたレバノンのハリリ首相は、もはや対ヒズボラ強硬路線をとる意思も能力ももっていないとサウジは考えるようになった。これが、サウジがハリリに辞任を強要した理由だ。今後、サウジは、ヒズボラを弱体化させようと、レバノンの銀行にある預金を全額引き出し、サウジ領内で暮らすレバノン人を国外に追放してレバノン財政の安定を脅かすことで、ヒズボラに対する圧力を強化しようとするかもしれない。レバノンの政治・経済を壊滅的な状況に追い込むことは誰の利益にもならないにも関わらず、サウジはそうすることを決意しているようにみえる。レバノン全体を苦しめることなくヒズボラを弱体化させるには、別のより優れた方法がある。

  • サウジのレバノン政策
  • リヤドはなぜ間違っているか

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