Photo / Kremlin.ru

民主体制を権威主義国家の攻撃からいかに守るか
―― モスクワの策略に立ち向かうには

ジョセフ・R・バイデン 前米副大統領
マイケル・カーペンター 前米国防副次官補

How to Stand Up to the Kremlin: Defending Democracy Against Its Enemies

Joseph R. Biden, Jr
米上院議員(1973―2009)を経て、アメリカ合衆国副大統領(2009―2017)。
Michael Carpenter
外交・グローバルエンゲージメント・ペン=バイデンセンター シニアディレクター。国防副次官補(2015―2017)。

2018年1月号掲載論文

ロシア政府は政治腐敗まみれの泥棒政治システムを守ろうと、その生存を外から脅かす最大の脅威と彼らがみなす「欧米の民主主義」に対する国境を越えた闘いを挑んでいる。欧米を攻撃することで国内の政治腐敗や経済的停滞に人々が目を向けないようにし、ナショナリズム感情を煽り立てて国内の反体制派を抑え込み、民主主義国家を守勢に立たせることで欧米諸国が国内の分断線対策に専念せざるを得ない状況を作り出そうとしている。この環境なら、モスクワは国内の権力基盤を固めることに専念し、「近い外国」に対して思うままに影響力を行使できる。だが、プーチンとその取り巻きたちは、アメリカの民主主義の最大の強さは市民の政治参加にあることを理解していない。米大統領が対策を拒んでも、われわれが行動を起こす。

  • ロシアによる民主主義の攻撃
  • 競争的権威主義とロシアの弱さ
  • 近い外国と特権的利害地域
  • 欧米に対する攻撃ツール
  • 政治腐敗を兵器化する
  • いかに対抗していくか
  • 強硬姿勢を保て
  • トランプ問題

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