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カタルーニャ危機とマドリードの誤算
――スペイン政府の正統性危機

R・ジョセフ・ハドルストン 南カリフォルニア大学  博士候補生(政治学)

How Madrid Should Address the Catalonia Crisis: Negotiation With the Regional Government Is Key

R. Joseph Huddleston フリードリヒ・エーベルト財団 国際政策部長。南カリフォルニア大学大学院 博士候補生(政治学・国際関係論)

2017年11月号掲載論文

カタルーニャ独立の是非を問う、住民投票当日、(中央政府が派遣した警察との衝突で)900人近くが負傷する事態となった。ラホイ首相は、これを「スペインの民主主義を守るためのリベラルな行動」として正当化したが、彼は合意にもとづく平和ではなく、圧倒的な警察力によるプレゼンスで平和を手に入れようとしている。このために、スペイン政府の正統性そのものが失墜し、それまで独立には関心のなかったカタルーニャ市民、そして国際社会でこの問題を見守るますます多くの人々が、普遍的な支持など集めていたわけではなかった独立運動の立場をカタルーニャの声として受け止めだしている。いまや問われているのはカタルーニャの独立だけではない。スペイン政府の政治的正統性そのものが問われている。

  • 中央政府の強硬な対応
  • 中央政府の過剰反応
  • そして、政治的正統性の危機
  • 事態を収拾するには

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