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トランプの何が問題なのか
――啓蒙的アメリカ・ファーストへの道筋を描く

アンドリュー・ベーセビッチ ボストン大学名誉教授(国際関係学・歴史学)

Saving “America First”: What Responsible Nationalism Looks Like

Andrew J. Bacevichボストン大学名誉教授(国際関係学・歴史学)、近著にAmerica's War for the Greater Middle East: A Military Historyがある。

2017年11月号掲載論文

かつてジョージ・W・ブッシュ、ビル・クリントンなどが考案した政策を、いまの米市民がそのまま受け入れることはあり得ない。最強の国アメリカという構想はすでに破綻しているからだ。「アメリカ・ファースト」が人々に支持されているのはこのためだ。もっとも、トランプは外交領域では「アメリカ・ファースト」ではなく、エンゲージメント戦略をとっている。問題は、十分な情報に基づかない、衝動的で、気まぐれな外交決定をしていることだ。最強国アメリカを前提とする冷戦後のユートピア的グローバリズムとトランプの愚行が混乱を引き起こすなか、必要とされているのは、戦間期に一時的に台頭したアメリカ・ファースト運動の主張をバランスよく解釈することだろう。この戦間期の運動が示した懸念と確信の多くは、現在の窮状から離れていくための健全な起点を示している。

  • アメリカ第一主義
  • 冷戦後の三つの期待
  • トランプ外交の実態
  • 未来を原点から考える
  • 未来にどう対処していくか
  • 歴史の教訓

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