メルケルのトランプジレンマ
―― 自立への道をいかに切り開くか
Berlin's Balancing Act Merkel Needs Trump ―but Also Needs to Keep Her Distance
2017年10月号掲載論文
ユーロゾーンの救済策だけでなく、難民の流入ペースの緩和に向けたトルコとの合意をまとめるなど、ここにきて、より積極的な行動をとるようになったものの、ドイツは基本的に世界でリーダーシップをとるのを嫌がってきた。しかしいまや、繁栄の基盤であるリベラルな秩序の維持を望むのなら、行動を起こす以外に道はない。ドイツは、自由貿易体制を支えるためにより多くを試み、自国の安全保障へのより大きな責任を引き受け、ヨーロッパがより踏み込んだ経済改革を行うようにリーダーシップを発揮しなければならない。メルケルは、反トランプ感情が支配的なドイツで、アメリカとの実務的関係を維持しつつ、この難題をこなしていかなければならない。
- 岐路に立たされたドイツ
- 控えめなドイツとトランプショック
- 依然として不可欠なアメリカ
- 貿易秩序を支えるには
- 独仏協調でヨーロッパ問題への対処を
- 経済とドイツ経済
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