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グローバリズムとナショナリズム
―― トランプが間違っている理由

Or・ローゼンボイム 英クィーンズカレッジ リサーチフェロー(政治学)

Globalism and Nationalism Why Interconnectedness does not threaten Sovereignty

Or Rosenboim 英クィーンズカレッジ リサーチフェロー(政治学)で、The Emergence of Globalism: Vision of World Order in Britain and the United States, 1939-1950の著者。

2017年8月号掲載論文

「グローバリズムは国家主権とはなじまない」と考えるのは間違っている。戦後における国際的な「つながり」の高まりによって、国家という政治単位やコミュニティが否定されたわけではない。現実には、国家、帝国、ヨーロッパ連邦、非国家コミュニティ、国際機関などのあらゆる政体が、戦後の「つながりを深めた新世界」への適応を迫られた。世界がつながり、一つに向かっているとしても、政治的・文化的な同質化が不可避だったわけでも、望ましかったわけでもない。政治単位としての国家を廃止し、愛国主義的イデオロギーを禁止することを求めたグローバリストは殆どいなかった。むしろ、有力なグローバリズムの思想家たちは、安定し、繁栄する平和な世界秩序を形作るには、統合と多様性のバランスをとる必要があると考えていた。

  • グローバリズムの本質
  • 戦後グローバリズムの三つの特質
  • トランプとグローバリズム

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