バノン派の凋落と伝統的外交の復活
―― 変貌したドナルド・トランプ
Trump the Traditionalist A Surprisingly Standard Foreign Policy
2017年8月号掲載論文
トランプ政権が革命的政権にならないことはすでに明らかだろう。普通の大統領ではないかもしれないが、これまでのところ、彼の外交政策は驚くほど常識的だ。「ロシアとの関係改善を望み、軍事力の使用はアメリカの国益が具体的に脅かされたときに限定する」と表明しつつも、シリア政府がサリンガスを使用したことが明らかになると、(ロシアが支援する)この国の基地をミサイルで攻撃している。すでにスティーブ・バノン率いる「オルト・ライト」ポピュリスト派は政権内で勢いを失い、トランプは外交エスタブリッシュメントで構成される国家安全保障チームを編成している。当初のイメージとは裏腹に、トランプ時代は伝統的なアメリカ外交からの逸脱ではなく、その維持によって特徴付けられることになるだろう。
- 変化するトランプ外交
- スティーブ・バノンと米大統領
- エスタブリッシュメントの反撃
- シリア・サプライズ
- 価値外交と国家建設
- 古くからのやり方
「バノン派の凋落と伝統的外交の復活 ―― 変貌したドナルド・トランプ」の著者名と役職名に誤りがございました。 正しくは以下の通りです。お詫びして訂正いたします。
誤)アブラムス 正)エイブラムス
誤)国務副長官 正)国務次官補
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