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シリア東部をめぐる米ロ・イランの攻防
―― シリアにおける政治ゲームの始まり

アンドリュー・タブラー ワシントン近東政策研究所  シニアフェロー

The Scramble for Eastern Syria With ISIS Weakening, the Game Is on

Andrew J. Tabler ワシントン近東政策研究所 シニアフェロー。著書にIn the Lion's Den: An Eyewitness Account of Washington's Battle with Syria (Chicago Review Press, 2011)がある

2017年7月号掲載論文

イラクと国境を接するシリア東部をめぐる攻防戦が始まっている。すでにアメリカは4月にアサド政権をミサイル攻撃しただけでなく、5月には親アサド勢力を空爆し、シリアのクルド人勢力への軍事援助の強化を発表している。ロシアとイランも、シリア東部におけるイスラム国勢力の崩壊によってシリア政府が失地を回復するチャンスがもたらされると考え、アサド軍支援を強化している。特にテヘランはイランからイラク、シリア、そしてヒズボラが支配するレバノンをつなぐシーア派の回廊を形成することを狙っている。当然、米ロの安全に関する覚書が、今後シリアにおいて試されることになるし、控えめにみても偶発事故が起きる危険は高まっている。いまやアメリカとその同盟国諸国の部隊が、アサドの部隊だけでなく、アサドを支えるロシアやイランの部隊と直接的軍事衝突に巻き込まれる恐れが出てきている。

  • 高まる米ロ直接衝突のリスク
  • グレートゲーム
  • 安全地帯
  • ロケーション

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