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米中という二つのリビジョニスト国家
―― トランプと米中関係の試金石

ジェニファー・リンド ダートマス大学准教授

Asia’s Other Revisionist Power ―― Why U.S. Grand Strategy Unnerve China

Jennifer Lind アメリカのアジア研究者。ダートマス・カレッジ准教授。著者にSorry States: Apologies in International Politicsがある。フォーリン・アフェアーズ誌に「日本の歴史認識と東アジアの和解を考える――反動を誘発する謝罪路線の危うさ」などを発表している。

2017年4月号掲載論文

非自由主義諸国は、民主化を求めるアメリカの大戦略が本質的に現状のトランスフォーメーション(大変革)を重視していることに大きな脅威を感じている。問題は、アメリカの外交エリートたちが、多くの場合この点を認識していないことだ。現実には、アメリカと中国はともに現状の変革を求めるリビジョニスト国家なのだ。ワシントンは今後も民主化を促進すべきだが、より他に脅威を与えない方法を通じて、しかも地域大国とアメリカの関係に戦略的余波が及ばない地域でそれを行動に移すべきだろう。例えば、ワシントンがベトナムとの過度な関係強化を試みれば、中国は、ロシアがウクライナにとったのと同様の行動を、ベトナムに対してみせるかもしれない。ロシアや中国の国境近くへと同盟ネットワークを拡大することや、中ロ国内の民主化を支援することには慎重でなければならない。ワシントンはリベラリズムを促進しつつも、その大戦略が他国をひどく脅かす可能性があることを十分に認識する必要がある。

  • 米中リビジョニスト国家の衝突
  • 中国のリビジョニズム
  • トランスフォーメーショナル国家
  • アウトサイダーとしての中国
  • リビジョニストのアメリカ
  • リアリストVS.国際主義者
  • アメリカの選択

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