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伝統的な対中政策への回帰を
―― トランプと中国

スーザン・シャーク カリフォルニア大学サンディエゴ校 21世紀中国センター議長

Trump and China ―― Getting to Yes with Beijing

Susan Shirk アメリカの中国専門家で、現在はカリフォルニア大学サンジェゴ校21世紀中国センター議長。これまでに国務省副次官補として中国、台湾、香港、モンゴルなどを担当した。

2017年3月号掲載論文

国内の不安定化を心配し始めた習近平は、(不満の矛先が政府ではなく、外に向かうように)国内のナショナリズムを鼓舞するような対外強硬路線をとり、一方で、国内における反政府運動の兆候があると、直ちにこれを粉砕している。この状況でトランプ政権が北京を挑発する路線をとれば、民衆に弱腰だとみなされることを警戒する北京は、台湾とアメリカに痛みを伴う経済懲罰策をとり、台湾海峡あるいは南シナ海で挑発的な軍事行動に出る恐れがある。しかも、中国を敵として扱えば、気候変動、感染症、核拡散などの重要なグローバルアジェンダをめぐって、両国が協議するのは不可能になる。いまやホワイトハウスの主となったトランプは、ニクソン政権以降の歴代の米政権がとってきた慎重な対中アプローチへと立ち返る必要がある。これまでのアプローチを完全に覆すのではなく、トランプはうまく機能してきたものは温存し、そうでないものだけを変化させるべきだ。

  • 国内の不安定化と対外強硬路線
  • 中国の問題行動
  • 共生を目指して
  • 三つの主要課題
  • トランプと中国

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