伝統的な対中政策への回帰を
―― トランプと中国
Trump and China ―― Getting to Yes with Beijing
2017年3月号掲載論文
国内の不安定化を心配し始めた習近平は、(不満の矛先が政府ではなく、外に向かうように)国内のナショナリズムを鼓舞するような対外強硬路線をとり、一方で、国内における反政府運動の兆候があると、直ちにこれを粉砕している。この状況でトランプ政権が北京を挑発する路線をとれば、民衆に弱腰だとみなされることを警戒する北京は、台湾とアメリカに痛みを伴う経済懲罰策をとり、台湾海峡あるいは南シナ海で挑発的な軍事行動に出る恐れがある。しかも、中国を敵として扱えば、気候変動、感染症、核拡散などの重要なグローバルアジェンダをめぐって、両国が協議するのは不可能になる。いまやホワイトハウスの主となったトランプは、ニクソン政権以降の歴代の米政権がとってきた慎重な対中アプローチへと立ち返る必要がある。これまでのアプローチを完全に覆すのではなく、トランプはうまく機能してきたものは温存し、そうでないものだけを変化させるべきだ。
- 国内の不安定化と対外強硬路線
- 中国の問題行動
- 共生を目指して
- 三つの主要課題
- トランプと中国
この論文はSubscribers’ Onlyです。
フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。
なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。
(C) Copyright 2017 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan