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中華民国という名称を捨て、 台湾アイデンティティの宣言を
―― 「一つの中国」のジレンマを解く

サルバトーレ・バボネス シドニー大学准教授

Taipei’s Name Game

Salvatore Babones オーストラリア・シドニー大学の准教授(社会学・社会政策)。

2017年2月号掲載論文

北京が台湾を取り戻すことなどあり得ない。台湾を中国の一つの省とみなす神話を永続化させるのは無意味であり、いまや台湾は普通の国家へ歩み出すタイミングだろう。そのためには、中華民国のかつての主張を前提とする南シナ海における領有権の主張を撤回し、「台湾が中華民国である」という虚構を捨てる必要がある。それがレトリックだとしても「中国大陸での一部の権利を有している」という主張を捨て去ることだ。公式に独立宣言を出す必要は必ずしもない。中華民国というこの島の名称を台湾へ公式に変えるべきだろう。これなら、独立宣言でなく、アイデンティティの宣言になる。もはや中華民国という(中国を想起させる)名称を用いない台湾なら、アメリカ、そして世界各国は、現在のパレスチナがそうであるように、今後より積極的に台湾と交流していけるようになる。

  • 普通の国家として認めよ
  • 台湾が現状を覆すには
  • 「一つの中国」
  • 台湾としての主権確立を

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