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民主主義はいかに解体されていくか
―― ポピュリズムから独裁政治への道

アンドレア・ケンドール・テイラー 国家情報会議・副国家情報官
エリカ・フランツ ミシガン州立大学准教授

How Democracies Fall Apart ―― Why Populism Is a Pathway to Autocracy

Andrea Kendall-Taylor米国家情報会議・副国家情報官(ロシア・ユーラシア担当)で、アメリカン大学准教授(政治学)。
Erica Frantzミシガン州立大学助教授(政治学)。専門は権威主義政治と民主化。

2017年1月号掲載論文

ポピュリストの指導者が主導する民主体制の解体ペースがゆっくりとしたものであるために、広範な反対運動を刺激するような劇的な展開はなく、反政府勢力を団結させるようなはっきりとした争点も浮かび上がってこない。仮に反政府勢力が組織されても、ポピュリストたちは、彼らを「第五列」、「エスタブリッシュメントのエージェント」、あるいは、「システムの不安定化を狙う工作員」と呼ぶことで、封じ込める。司法や治安サービスなどの権力の中枢を握るポジションに忠誠を尽くす人材を配し、メディアを買い上げることでその影響力を中和し、メディアを縛る法律を成立させ、検閲システムを導入する。この戦略がとられると、実際には民主主義が解体されているかどうかを見極めにくくなる。この狡猾さが、21世紀の民主主義に対するもっとも深刻な脅威を作り出している。

  • クーデターからポピュリズム型変革へ
  • ポピュリストから個人独裁へ
  • 安定した民主国家も「権威主義化」する?

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