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中東がトランプに抱く期待と不安
―― 米次期政権の中東政策を考える

アハロン・クリーマン テルアビブ大学名誉教授(外交研究)
ヨエル・グザンスキー テルアビブ大学 国家安全保障研究所フェロー

Reading Trump’s Middle East Policy ―― Could Retrenchment Trigger a Realignment?

Aharon Klieman テルアビブ大学名誉教授(外交研究)でイスラエル外交ジャーナル(Israel Journal of Foreign Affairs)のシニアエディター。
Yoel Guzansky テルアビブ大学・国家安全保障研究所フェローで、スタンフォード大学フーバー研究所のナショナルフェロー。

2017年1月号掲載論文

アラブの指導者たちは、ドナルド・トランプがいくら反イスラム的な発言を繰り返しても、それでもヒラリー・クリントンが大統領になってオバマ政権のイラン・シリア政策が永続化されるよりもましだと考えていた。彼らが、トランプの大統領選挙での勝利を祝福したのはこのためだ。しかし、トランプ政権が先を見据えた行動をとったとしても、中東諸国の信頼を取り戻すには、より緊密な協議や協調、公的な安全保障合意、武器供給、オフショア戦力配備、さらにはイランに対する圧力強化などが必要になる。トランプはイラン合意を「交渉でまとめられた最悪の合意」と何度も批判してきたが、実際にはイランに強硬策をとれるかどうかはわからない。アラブ世界は解体しつつあり、ロシアとイランがより積極路線をとり、しかもこの地域では四つの紛争が戦われている。新米大統領は機能不全に陥った中東に関する気も萎えるほどに大きな一連の決断に直面することになる。

  • 憶測と混乱
  • 中東における米ロ協調?
  • トランプはイラン核合意を解体できるか
  • 不透明な環境と試行錯誤

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