Frederic Legrand - COMEO / Shutterstock.com

アメリカのイラン・ジレンマ
―― 和解と対立の間

リュエル・マーク・ゲレチェット 民主主義防衛基金(FDD)シニアフェロー
レイ・タキー 米外交問題評議会シニアフェロー(中東担当)

Can't Have It Both Ways in Iran ―― Between Accommodation and Confrontation

Reul Marc Grechet 民主主義防衛基金(FDD)シニアフェロー
Ray Takeyh 米外交問題評議会シニアフェロー(中東担当)

2016年9月号掲載論文

ワシントンは、イランと和解することも対決することもできる。しかし、二兎を同時に追うことはできない。核合意を結び、しかも戦争疲れした米市民が中東から手を引きたいと考えている以上、対決路線をとるのはかなり難しい。一方、テヘランは依然としてイラク政府への影響力を行使している。イスラム国(ISIS)に対するイラクの戦略を指令し、イラク内のスンニ派に対する強硬策を促しているのは、イランの革命防衛隊だ。しかもシリアでは、依然としてバッシャール・アサドを支持している。ペルシア湾岸地域でもイランは策謀をめぐらしている。それでも核合意をめぐる譲歩のバランスをとるには、欧米はビジネス上の恩恵を確保する必要があると考えるのも無理はない。そして、核合意は崩壊したと判断しない限り、次期政権を含む今後の政権に経済制裁という選択肢はないも同然だ。・・・

  • 核合意は結んだが・・・
  • 経済利益を引き出せるか

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