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かつてなく危険な世界
―― デンプシー前米統合参謀本部議長との対話

マーチン・デンプシー 前米統合参謀本部議長

Note from the Chairman

Martin Dempsey 2015年9月、マーチン・デンプシー将軍は、米軍での約40年のキャリアを終えて退役した。ウェストポイントを卒業後、機甲部隊の将校を命じられたデンプシーは湾岸戦争とイラク戦争の双方に従軍した後、米陸軍の参謀総長になり、その後、2011年に米統合参謀本部議長に就任した。統合参謀本部議長は軍を統率する最高位のポジションで、大統領および国防長官の主たる軍事顧問も務める。

2016年9月号掲載論文

「私の知る時代のなかで、いまや世界はもっとも危険な状態にある。それぞれの脅威は小さいとみなすこともできる。だが適切に対処しなければ、そうした課題は現在われわれが考えている以上に大きな脅威へと変化していく。ロシアや中国のような国家アクターが、ヨーロッパと太平洋でわれわれの利益を脅かしている。中ロのいずれも今のところわれわれの純然たるライバルの域には達していないが、一部の領域については、われわれのレベルに近づきつつある。一方で、イスラム国(ISIS)のような非国家アクターがいる。これらの問題のいずれも無視することは許されない。根底にあるのは、現在のアメリカが、例えば、20年といった長期的なビジョンを描いて、それを政策と権限、さらには必要とされる資源で支えることができずに、一年単位で問題を捉えてしまいがちなことだ」 (聞き手はギデオン・ローズ フォーリン・アフェアーズ誌編集長)

  • 「いまや世界はかつてなく危険な状態にある」
  • アジアの海洋と中国
  • 中東とイスラム過激派

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