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イギリスにとって本当の問題は何か
―― 消失したEUというスケープゴート

ダニエル・ケレメン ラトガース大学教授(政治学)

London Falling ―― Life after Brexit

Daniel Keleman ラトガース大学教授(政治学)

2016年8月号掲載論文

経済不安、生活水準の低下、近年の公共サービス削減に対する怒りを投票で表したEU離脱派の有権者も、最終的には問題の本質が、EUからの移民流入ではなく、イギリス経済の構造変化と保守党政権の政策にあることに気づくだろう。イギリスの政治家と有権者の多くは、長年、自国の問題をEUのせいにしてきた。今後、EU離脱の選択が景気悪化を招き、政治的亀裂が拡大するなかで、EUに代わるスケープゴートを別に見つけなければならなくなる。EUから出た方が、暮らし向きがよくなるかどうかは、すぐにはっきりする。

  • ブレグジットという愚行
  • 何が問われたのか
  • EUとの関係を巡る選択肢
  • ブレグジット後のEU

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