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ブレグジットとヨーロッパの未来
―― NATOとユーロへの波及はあるか

スピーカー: リチャード・ハース 米外交問題評議会会長、セバスチャン・マラビー 米外交問題評議会シニアフェロー(国際経済担当)、 プレサイダー: アニヤ・シュメーマン 米外交問題評議会 ワシントンディレクター

Media Call: Brexit

Richard Haass 米外交問題評議会会長。ブルッキングス研究所副会長、米国務省政策企画部長を経て現職。
Sebastian Mallaby 米外交問題評議会国際経済担当シニアフェロー。著書にMore Money Than God: Hedge Funds and the Making of a New Eliteがある。

2016年8月号掲載論文

私は重大な問題を国民投票(住民投票)の判断に委ねることには疑問がある。われわれには議会という存在があり、これが代議制民主主義の根幹をなしている。複雑で論争のある問題の決定を国民投票に委ねれば、ブレグジットのような極端な結果に直面する危険がある。国家にとってのメリット・デメリットを考慮して何かを判断するのではなく、多くの人が(感情的)メッセージを伝える手段として国民投票を実施するのは危険を伴う。かくも大規模な近代社会において国民投票が、複雑かつ巨大な問題に対処していく建設的な方法だとは思わない。(R・ハース)

問題は、(ブレグジットによって)今後(イギリスが)不確実性という雲に覆われることになれば、この国への長期投資が遠ざかっていくことだ。おそらく、外国直接投資が干上がることになるかもしれないし、これが経済への下方圧力をさらに高めることになる。こうした富の減少が不動産その他の資産市場を通じて広がりをみせ、最終的に消費を抑え込むことになるだろう。(S・マラビー)

  • 英経済は不確実性の時代へ
  • 分離主義の連鎖?
  • アメリカ政治への教訓
  • 直接民主主義と代議制民主主義
  • ユーロとNATOへの影響は

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