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欧州への米LNG輸出で何が変わるか
―― 米ロ天然ガス戦争という虚構

ニコス・ツァフォス /エナレティカ チーフアナリスト

A U.S. Gas War with Russia
―― The Realities of the Global Energy Market

Nikos Tsafos コンサルティング企業、エナレティカの会長兼チーフアナリスト。ジョンズホプキンス大学で天然ガスのコースを担当している。

2016年7月号掲載論文

アメリカから大量のLNG(液化天然ガス)がヨーロッパに向かうようになれば、ロシアの天然ガスは(価格競争に敗れて)市場から締め出され、モスクワは天然ガスの輸出収益の多くを失うと考えられている。しかし、この議論は天然ガス市場に関する間違った前提に依存している。いまやLNGによって天然ガスのグローバル市場が誕生しており、市場はこの見方を支えるほど単純ではない。ヨーロッパ市場でのアメリカのライバルはロシアではなく、むしろノルウェーやアルジェリアの天然ガスになるだろう。また、オーストラリアのLNGがアジア市場に向かい始めれば、これまでのアジアを顧客としてきた中東の天然ガス資源がヨーロッパを含むグローバル市場へと流れ出す。アメリカのLNGとロシアの天然ガス供給だけで、ヨーロッパ市場を語るのは、あまりに短絡的すぎる。・・・

  • 米LNG輸出の衝撃?
  • 市場はどう反応するか
  • オーストラリア・ファクター
  • マーケットシェアを超えて

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