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連邦準備制度はなぜ判断を間違えたか
―― グレートリセッションと金融政策

スコット・サムナー/ ジョージ・メイソン大学教授

The Fed and the Great Recession

Scott Sumner ジョージ・メイソン大学マーカタスセンターディレクター(金融政策)。ベントレー大学名誉教授。ブログ、マネーイリューション(http://www.themoneyillusion.com/)の著者。

2016年6月号掲載論文

一般に考えられるのとは違って、住宅市場の崩壊、壊滅的な自然災害、株式市場のクラッシュなどのショックによって、リセッションに陥る訳ではない。むしろ、深刻なリセッションを引き起こすのは金融政策の判断ミスであることが多い。実際、グレートリセッションを引き起こしたのは、住宅市場の崩壊と混乱ではなく、連邦準備制度(Fed)の金融政策上の判断ミスだった。住宅市場が崩壊への道をたどり始めて2年後の2008年半ばには、さらに深刻な問題が表面化していた。失業率が上昇し、住宅部門だけでなく、経済の全てのセクターへと失業が広がっていた。だが、Fedは、おそらくは原油価格の上昇に派生するインフレを警戒して、問題を相殺するのに必要な迅速な利下げを実施せず、その結果、名目国内総生産(NGDP)は急速に低下し、失業率が急速に上昇した。・・・

  • 何が金融政策の適切な指標なのか
  • 何が本当の原因だったのか
  • 金融危機からマクロ経済危機へ
  • 自然利子率と名目金利と金融政策
  • インフレターゲットを超えて
  • NGDPターゲットを

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