オバマ広島訪問後の日米関係
―― 安倍首相はパールハーバー訪問を
Abe Should Visit Pearl Harbor
2016年6月号掲載論文
オバマの広島訪問を日米関係の新しいチャプターの幕開けとして位置づけなければならない。安倍首相は、誠意の返礼として、2016年の真珠湾攻撃75周年記念式典に参加すべきだろう。真珠湾を訪問すれば、広島と長崎への原爆投下を(パールハーバーに始まる)歴史の流れのなかに位置づけ、その認識を高めることができる。さらに、日本が過去の歴史を見直すのではなく、平和の促進にコミットしていることを世界に示すことにもなる。両国が共有する痛ましい過去に正面から向き合うことで、日米は、歴史論争によってとかく外交的に紛糾し、機能不全に陥ることの多い東アジアに優れた先例を示すこともできる。歴史を刻む相手国の都市への相互訪問は、両国の指導者がとるべき正しい行動だろう。
- 広島訪問のリスク
- 歴史にどう向き合うか
- 日米の新しい流れを加速せよ
<広島訪問のリスク>
ニューヨーク・タイムズの報道によれば、オバマ米大統領は、5月下旬に日本で開催されるG7サミットの期間中に広島を訪問する。米大統領の広島訪問は、核不拡散レジームや日米関係を強化する助けになる。それだけではない。地域的同盟国との強固なパートナーシップが必要になるワシントンのアジア・リバランシング戦略を支えることになるだけに、歓迎すべきシンボリックな行動だろう。北朝鮮の核実験に向けた動き、中国の南シナ海における軍事プレゼンスの強化によって、これらの構想が脅かされているだけに、タイミングも申し分ない。・・・
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