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パナマ文書とトマ・ピケティ
―― 格差の全貌を把握する最初のステップ

ヘンリー・ファレル / ジョージ・ワシントン大学准教授(国際関係論)

The Panama Papers and Thomas Piketty

Henry Farrel ジョージ・ワシントン大学准教授(政治学、国際関係論)。これまでフォーリン・アフェアーズで掲載された論文には「米欧データ戦争の衝撃 ―― 覇者の奢りとヨーロッパの反撃」、「暴かれたアメリカの偽善 ―― 情報漏洩とアメリカのダブルスタンダード」、「NSAの無節操なスパイ活動 ―― 安全保障とプライバシー保護の間」などがある。

2016年6月号掲載論文

一見するとパナマ文書の漏洩は、米陸軍兵士のチェルシー・マニングがウィキリークスに機密文書を渡したケース、元NSA(アメリカ国家安全保障局)の契約局員だったエドワード・スノーデンが暴いた国際監視プログラムなど、一連の漏洩(リーク)事件と同じように思える。著名な政治家や政府関係者の偽善的行為を暴き出した点では、こうした先例とパナマ文書には共通点がある。とはいえ、パナマ文書がもつ本当の意味の比較対象としてふさわしく、しかも今後の展開を知る上で有益なのは、スノーデンでもジュリアン・アサンジでもない。それは、著名なフランスのエコノミスト、トマ・ピケティだ。「人々はまだ経済格差の全貌をわかっていないが、それを多くの人が理解すれば、政治は大きな変化を余儀なくされる」と彼は今後を見通している。パナマ文書はその全貌を知るための第一歩とみなせる。

  • スノーデンとパナマ文書
  • 不平等と格差の実態
  • 格差の政治的意味合い

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