オバマは広島を訪問すべきなのか
―― 感情と理念と政治
The President Path to Hiroshima
―― An Obama Apology to Japan?
2016年5月号掲載論文
日本人の多くは、米大統領が被爆地を訪問することで、アメリカが原爆使用という過去と正面から向き合う機会が作り出されることを願っている。すでにホワイトハウスは、日本の市民グループ、軍縮運動家、子供たちなどから、オバマ大統領の広島訪問を希望する手紙を何千通も受けとっている。大統領の広島訪問を待望する人の多くは、「重要なのは謝罪ではない」と考えている。だが、米大統領が広島を訪問すれば、結局は東アジア地域の厄介な歴史問題がさらに複雑になる恐れがある。アメリカ大統領が「被害者としての日本」という考えの中枢である被爆地を訪問すれば、韓国など、日本の近隣諸国の多くはそれを快く思わないからだ。しかもアメリカでは大統領選挙が控えている。大統領が、献花された石碑の前に立ち、黙祷を捧げるにはあまりにも騒々しい環境にあるのは間違いない。・・・・
- オバマと核なき世界(部分公開)
- 日本人の想い
- 核解体への道か謝罪外交か
- 日米の歴史和解と日本と近隣諸国の歴史和解
- 日本政府の立場
- 訪問しない理由
<オバマと核なき世界>
アメリカのバラク・オバマ大統領が「核なき世界」の実現を求めた2009年のプラハ演説以降、多くの日本人は、オバマは現職のアメリカ大統領として初めて広島を訪問するのではないかと考えてきた。オバマは先進7カ国(G7)伊勢志摩サミットに出席するため、2016年5月に訪日予定で、これが、彼が被爆地を訪れるのではないかという憶測に拍車をかけている。
G7外相会合に出席するため4月に訪日したジョン・ケリー米国務長官はすでに広島を訪問している。米国務長官によるこの歴史的な訪問は、オバマの広島訪問への布石なのか。伊勢志摩から広島は列車でいけばすぐだが、大統領が広島を訪問するとなると、その道のりはきわめて複雑で議論を呼ぶものになるだろう。・・・
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