イノベーションと 「70対20対10ルール」
――ルース・ポラットとの対話
The Good News From Google
―― A Conversation With Ruth Porat
2016年4月号掲載論文
ルース・ポラットは、テクノロジー企業のエグゼクティブとしては異例のキャリアの持ち主だ。2015年5月にグーグル、その数カ月後にグーグルの持ち株会社アルファベットの最高財務責任者(CFO)に就任するまで、彼女は米金融大手モルガン・スタンレーのCFOだった。2008年の金融危機では、経営不振に陥った米保険最大手AIGの処理について連邦準備制度理事会(FRB)と、連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)の処理について米財務省と協力した経験をもっている。オバマ政権下の2013年には、財務副長官候補に名前が上がったこともある。政治サイト「ポリティコ」はポラットのことを「ウォール街でもっともパワフルな女性」と呼んだが、今は「シリコンバレーでもっともパワフルな女性の1人」だ。(聞き手はジョナサン・テッパーマン、フォーリン・アフェアーズ誌副編集長)
- テクノロジー企業とウォール街<部分公開>
- 長期停滞とテクノロジー産業
- グーグルは経済に貢献しているか
- 大国としての立場
<テクノロジー企業とウォール街>
―― ウォール街の銀行からシリコンバレーの代表的なテクノロジー企業へと転身されたことについて、質問したい。テクノロジー企業に比べると、銀行は古臭くて面白みがないと思われがちだが、実際にはどうなのだろうか。そしてウォール街はシリコンバレーからどんな教訓を学べるだろうか。
ポラット 転職は思ったほど大変ではなかった。私がモルガン・スタンレーに27年もいたのは、純粋に楽しかったからだ。日々学ぶことがあった。また、1990年代にテクノロジー投資部門のトップだったとき、急成長する素晴らしいインターネット企業と仕事をした経験もある。私に言わせれば、金融部門とインターネット部門の共通点は数多くある。
(一方、スタンフォードで学生時代を過ごした私にとって)西海岸に戻ってこられたこと、アルファベットで仕事をすることは爽快な気分だ。とにかく、ここはイノベーションであふれている。そのための資源配分と優先順位をどうするかは大きな課題だが、スーツではなくジーンズで仕事に行き、ドライバーレスカー(自律走行車)を利用するのはとても楽しい。・・・
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