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CFR Events
流動化するサウジ
―― 原油、イラン、国内の不安定化

バーナード・ハイカル プリンストン大学教授(近東研究)、カレン・エリオット・ハウス 前ウォールストリートジャーナル紙発行人

Assessing Saudi Arabia's Future

Bernard Hykel プリンストン大学教授。専門は中東の政治と社会。最近の著書にOil in Saudi Arabia’s Culture and Politics: from Tribal Poets to al-Qaeda’s Ideologues, in Saudi Arabia in Transition (Cambridge: Cambridge University Press, 2014). Karen Elliot House アメリカのピュリツアー賞受賞ジャーナリスト。前ウォールストリートジャーナル紙マネージングエディター、同紙発行人、ダウジョーンズ会長。最近の著書にOn Saudi Arabia: Its People, Past, Religion, Fault Lines - and Futureがある。

2016年4月号掲載論文

サウジの社会契約は石油の富による繁栄を前提にしており、(原油安が続き)民衆が望むレベルの繁栄を提供できなくなれば、政府は政治的に非常に困難な事態に直面する。原油以外の歳入源(経済の多角化)について、さまざまな議論が行われているが、これまでうまくいったことはない。・・・リヤドは、歳出を削減して民衆の反発を買うよりも、非石油部門の歳入を増やそうとしている。これまで膨大な浪費を続けた国だけに、節約で一定の資金を手許に残せるが、最終的には、痛みを伴う是正策が必要になるだろう。(K・E・ハウス)

サウジは、イランのことをイスラム国以上に深刻な脅威とみなしている。イランは非国家アクターを操り、イラクからシリア、レバノン、パレスチナ、イエメン、おそらくはバーレーン、さらには、サウジ東部のシーア派を含む、サウジ周辺の全地域(と国内の一部)で影響力を拡大しているからだ。リヤドは、地域的、あるいは中東全域の地政学的優位をめぐって、イランとのゼロサムの関係にあるとみている。(B・ハイカル)

  • 原油安とイラン
  • イエメンの混乱
  • 対米関係
  • イスラム国とイラン
  • サウジの王位継承問題
  • 原油価格の暴落

<原油安とイラン>

ダグラス・ジール まず、サウジがどのような脅威と課題に直面しているかを議論したい。イラン、イスラム国(ISIS)、原油価格の暴落という脅威や問題のなかで、現状でサウジがもっとも深刻に受け止めているものは何だろうか。

 

カレン・エリオット・ハウス 最近サウジを訪問したが、彼らはイラン、イスラム国、原油価格の暴落のすべて深刻な問題とみなしている。とはいえ、サウジは対外的脅威以上に国内情勢のことを気に懸けている。原油価格が今後数年にわたって現在のような低いレベルで推移するか、さらに低いレベルへと落ち込めば、サウジは非常に深刻な事態に直面する。・・・

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