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平等と格差の社会思想史
―― 労働運動からドラッカー、そしてシュンペーターへ

ピエール・ロザンヴァロン コレージュ・ド・フランス教授(政治史)

How to Create a Society of Equals

Pierre Rosanballon コレージュ・ド・フランス教授(政治史)。社会科学高等研究院の研究ディレクター。最近の著書にSociety of Equals がある。

2016年2月号掲載論文

多くの人は貧困関連の社会統計や極端な貧困のケースを前に驚愕し、格差の現状を嘆きつつも、「ダイナミックな経済システムのなかで所得格差が生じるのは避けられない」と考えている。要するに、目に余る格差に対して道義的な反感を示しつつも、格差是正に向けた理論的基盤への確固たるコンセンサスは存在しない。だが、20世紀初頭から中盤にかけては、そうしたコンセンサスがなかったにも関わらず、一連の社会保障政策が導入され、格差は大きく縮小した。これは、政治指導者たちが、共産主義革命に象徴される社会革命運動を警戒したからだった。だが、冷戦が終わり、平和の時代が続くと、市民の国家コミュニティへの帰属意識も薄れ、福祉国家は深刻な危機の時代を迎えた。財政的理由からだけでなく、個人の責任が社会生活を規定する要因として復活し、ドラッカーから再びシュンペーターの時代へと移行するなかで、社会的危機という概念そのものが形骸化している。・・・

  • 格差と社会保障、そして格差の増大
  • 何が平等の時代をもたらしたか
  • 形骸化した格差是正の思想と枠組み
  • 社会的同質性と機会の平等
  • 民主的平等のための三つの原則

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