世界経済リスクとしての中国経済の
不確実性
―― 持続不可能なフィードバックループ
The World Economy in 2016: Watch China
2016年2月号掲載論文
中国政府が避けようのない経済スローダウンのタイミングを先送りしよう試みれば、債務はますます肥大化し、最終的な結末をさらに深刻なものにするだろう。銀行がインフラプロジェクトに資金を注ぎ込み、IMFが予測するように、成長率は6%を超えるかもしれない。しかし、持続不可能なやり方に派生するリスクが認識されるようになれば、政府の資本規制をかいくぐって資金は外国へと流出する。いずれにせよ、2016年の中国経済に注目する必要がある。この10 年以上にわたって世界経済の成長を牽引してきた国が、次のグローバル経済ショックの震源地になるかもしれないからだ。・・・
- 次の危機の震源地は <部分公開>
- 日米欧経済
- 次の経済ショックの震源地
<次の危機の震源地は>
アメリカのサブプライム危機、一連のユーロ危機、そして日本が実施したアベノミクスへの期待と落胆と、これまで世界経済に大きな衝撃を与えたのは、いずれも富裕国経済の変調と危機だった。
だが2015年は違っていた。ギリシャのユーロ離脱リスクへの懸念もあったが、より大きな衝撃を与えたのは、その余波が全ての新興国経済に及んだ中国経済の失速だった。米連邦準備制度理事会(FRB)でさえ、2015年9月に利上げを先送りした理由の一つに、中国経済の先行きが不透明であることを挙げた。
2016年も、世界経済に大きな不確実性をもたらすのは、やはり中国だろう。国際通貨基金(IMF)は2016年の世界経済の成長を2015年の3・1%から少し引き上げて3・4%と予測している。仮に予測が外れるとしても、それは先進国が作り出すワイルドカードに端を発する危機にはならないはずだ。
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