中国とロシアの関係
―― 中国がロシアとの同盟を模索しない理由
How China Sees Russia
2016年1月号掲載論文
欧米の分析者や政府関係者のなかには、ロシアが深く関与しているシリアとウクライナでの紛争が、北京とモスクワの関係を緊張させるか、破綻させると期待混じりに考える者もいる。だがそもそも中国はロシアとの公的な同盟関係を結ぶことにも、反米、反欧米ブロックを組織することにも関心はない。むしろ、北京は、中ロが開発目標を達成できるような安全な環境を維持し、互恵的な関係で支え合い、どうすれば国際システムを強化する方向で大国同士が立場の違いを管理できるかのモデルとされるような関係を形作っていくことを望んでいる。アメリカとその同盟諸国は、中国とロシアの緊密な絆を、米主導の世界秩序を脅かす疑似同盟関係の証拠とみなすかもしれない。だが中国は、米中ロの三国間関係は、二つのプレイヤーが連帯して残りの一つと対峙するパワーゲームとみてはいない。・・・
- 反米同盟でも打算的結婚でもない
- 反目からパートナーシップへ
- 立場の違いを管理する
- ゼロサムゲームからウィンウィンの関係へ
- 米中ロ関係の未来
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