介入が許される条件とは何か
―― J・S・ミルと不介入の薦め
When to Intervene ―― What Would John Stuart Mill Do About Syria?
2016年1月号掲載論文
いまや(欧米が)いつ地上戦を含むシリアへの軍事介入に踏み切り、政府と市民の間に強引に割って入るのか、というテーマさえ浮上している。軍事介入についてどのような立場をとるかは、人道的介入、主権、国家安全保障を人々がどのように認識しているかに左右される。19世紀のイギリスの哲学者ジョン・スチュワート・ミルは、「自由や民主主義を強制するための軍事介入」を否定し、基本的に不介入主義を説いた。一方ミルは「人道的な懸念」や「国家安全保障上の必要性が相手国の主権以上に重視される場合」、或いは「相手国が分裂し、国家として機能していないために、主権を無視してもかまわない」ケースでは介入が許容されるとしている。現在のシリア紛争はどうだろうか。・・・
- 介入すべきか、介入せざるべきか
- 不介入の薦め
- 介入が許されるケース
- シリア紛争への介入は?
<介入すべきか、介入せざるべきか>
2015年11月13日のパリの同時多発テロを受けて、フランスはシリアにおけるイスラム国の拠点に対する空爆を強化している。いまや、(欧米が)いつ地上戦を含むシリアへの軍事介入に踏み切り、政府と市民の間に強引に割って入るのか、というテーマさえ浮上している。
大国はこうした(介入の決断を迫られる)局面にこれまで何度も直面してきた。例えば、ロシアとアメリカは、シリア内のそれぞれの勢力に武器を支援しているだけでなく、結局はシリアへの空爆に踏み切った。2011年にもフランス、イギリス、アメリカを含む北大西洋条約機構(NATO)メンバーがリビア内戦に軍事介入している。・・・
この論文はSubscribers’ Onlyです。
フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。
なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。
(C) Copyright 2016 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan