<CFR Events>
中国経済と新興市場危機
――世界経済アップデート
World Economic Update
2015年12月号掲載論文
立ち直りつつあるとはいえ、中国の不動産市場には大きなインバランスがある。不動産市場の問題には地方政府の債務問題も関わってくる。さらに、急成長期の設備投資によって、いまやさまざまな産業が大規模な過剰生産能力を抱え込んでいる。これらの問題は銀行部門の不良債権としていずれ先鋭化する。(L・アレクサンダー)
中国は膨大な投資をしながらも、それを経済成長に結びつけられずにいる。最大の問題は非効率だ。資本を無駄に浪費している。・・・彼らはどこに向かうべきかを理解しているし、どうすれば、そこにたどり着けるかの計画ももっている。しかし、誰もがそこに向かうことが自分の利益になると考えているわけではなく、改革路線への抵抗がある。(J・リプスキー)
現在、地球の歴史のなかで最大規模の農村から都市への人口移動が起きていることに注目すべきだ。都市部での労働生産性は高く、所得は大きくなる。その半分を貯蓄にまわせば、これを中国全土での投資として利用できる。もちろん、間違いを積み重ねていけば、10年毎に、不良債権の山と建設すべきではなかった工場が残される。だが、政府がこれを清算して、同じことを繰り返すこともできる。・・・(V・ラインハルト)
- 新興市場リスク
- 中国は日本経済の後追いをしている?
- アベノミクスと官僚
<新興市場リスク>
マラビー リーマンショックとグローバル金融危機、ユーロ危機が起き、いまや新興市場危機が姿を現しつつあると言われる。新興市場は巨大なドル債務を抱え、原材料輸出と中国経済に過度に依存してきた。新興市場経済はたんなる経済のスローダウンではなく、今後、より深刻な状況に陥っていくかもしれない。この見方は正しいだろうか。
アレクサンダー 私は必ずしもそのようにはみていない。新興国経済のスローダウンの可能性を広範な流れのなかに位置づける必要がある。一つの側面では、これは金融危機後の世界経済の回復に関連している。最近の研究の一部は、深刻なリセッションを脱した後も、依然として潜在的成長が抑えこまれていると現状を分析している。・・・
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