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難民の対応コストを誰に負担させるか
―― 難民を発生させた国の責任を問う

ガイ・S・グッドウィン=ジル/オックスフォード大学名誉教授
セリム・キャン・サザク/センチュリー財団リサーチャー

Footing the Bill
―― Refugee-Creating States' Responsibility to Pay

Guy S. Goodwin-Gillイギリスの政治学者、法学者で、難民問題の研究者。オックスフォード大学名誉教授(国際難民法)。1976―88年にUNHCRの法律顧問を務めた。
Selim Can Sazak センチュリー財団リサーチャー(外交政策プログラム)専門は中東の政治。

2015年10月号 掲載論文

大規模な難民が発生しても、国際社会は難民を受け入れた当事国に主な責任を負わせ、近隣諸国が難民たちを暖かく受け入れることを期待するだけだ。難民受け入れ国を他国が支援することを定めた国際法が存在しないために、現実には、その対応コストは難民を受け入れた当事国が負担せざるを得ない。こうして、難民の滞在期間が長期化するにつれて、受け入れ国の出費は膨らんでいく。だが、難民が外国において人間的な生活をするために必要なコストは、人々が家を後にせざるを得ない状況を作り出した国に支払わせるべきではないか。国際社会が大量の難民を発生させた政策や行動に関わった特定の指導者の資産を標的とする制裁を適用することもできる。危機を作り出した国の資産を凍結して、その資金を難民の人道支援に充てることは物質的な貢献になるだけでなく、紛争に対する抑止力にもなる。・・・

  • 難民救済は誰の責任か
  • 国際的支援の絶対的不足
  • 難民を作り出した当事国にコストを負担させよ

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