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ギリシャ危機と中国発世界不況
――世界経済アップデート
World Economic Update
2015年6月号 掲載論文
ヨーロッパは、ギリシャ政府が到底満足しない程度の融資しかオファーしない。ここでギリシャは「ヨーロッパの条件を受け入れてユーロに留まるか、あるいは、別の道を選ぶか」を決めなければならなくなる。だが私は、最終的にギリシャはユーロ圏に留まるとみている。・・・(L・アレクサンダー)<br>
中国のGDPの50%は新規投資だ。つまり、次年度に前年度と同じ数と規模の高速道路、病院、道、橋、トンネル、工場、学校しか作らなければ、経済の半分は成長しなくなる。依然として成長の余地は残されているが、そう遠くない将来に、中国経済は縮小し始める。・・・いずれバランスシートを合理的なレベルへと縮小させなければならなくなる。このタイミングで中国発世界不況が起きる。(P・フィッシャー) <br>
グローバルな「ローフレーション」を前に世界では2014年12月以降、30を超える国の中央銀行が量的緩和、金融緩和、あるいは為替介入を試みている。結局、この状況ではアメリカ経済はドル高という重荷を引き受けざるを得ない。アメリカ経済のインフレ率もそう高くないが、ドル高をある程度容認せざるを得ない環境にある。(E・ゼントナー)
- 最終局面を迎えたギリシャ危機
- 中国発グローバルリセッション
- 中東の混乱の経済的余波
<最終局面を迎えたギリシャ危機>
マラビー ギリシャについて質問したい。ギリシャ危機は終盤を迎えつつあるようだ。内閣改造が行われるはずだったが、依然としてバルファキスがギリシャの財務相ポストに居座っている。ユーロ圏の財務相たちは、(歯に衣着せぬ発言を繰り返す)バルファキスにはもう我慢ならないと考えている。一方で、ギリシャの資金は枯渇しつつある。IMF(国際通貨基金)への返済はともかく、7―8月には欧州中央銀行(ECB)へのより大規模な返済が待ち受けている。返済できなければ、ECBがギリシャの銀行を、緊急流動性支援を通じて救済し続けるのは難しくなる。もはやギリシャ危機は最終局面にあると考えるべきだろうか。
アレクサンダー きわめて重要な局面を迎えている。現状を捉える簡単な方法は、現在のギリシャ政府が選挙で掲げたプラットフォーム(反緊縮財政)と、ヨーロッパが示してきた救済の条件(緊縮財政)の間に整合性がないことだ。ギャップは埋まっていない。・・・
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