日韓関係の修復はできる
―― 問題は歴史ではなく、安全保障領域にある
Making Up Isn't Hard to Do
2015年4月号掲載論文
多くの人は、日韓関係がうまくいかないのは、歴史問題に派生する敵意ゆえに信頼できる関係を構築できずにいるからだと考えている。だがこの説明は十分ではない。現象と原因を取り違えている。日韓の歴史論争は、関係がうまくいっていないことに派生する現象であって、関係を悪化させている原因ではない。すでに現在の日本と韓国は、ともに歩み寄れるような利益を共有している。日本と韓国は貿易パートナーだし、教育、化学、技術領域で交流し、相手の大衆文化も受け入れている。問題は、日韓がともにその同盟関係を重視せず、しかも、日本と韓国を協調へと向かわせるかに思える中国の経済的、軍事的台頭に東京とソウルが逆の反応をみせていることだ。だが、ソウルと東京が、和解が自国の利益になると判断すれば、そこへ至る道筋は存在するし、そこで、歴史問題が障害になることはない。
- 問題は過去の歴史ではない
- 仏独和解のケース
- 日韓を隔てる安全保障認識
- 和解が進むとすれば
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