イスラム国の次なるターゲット?
―― 破綻国家リビアにおける抗争
ISIS' Next Prize
2014年10月号掲載論文
深刻な政治危機と国家制度の崩壊によって権力の空白が生じているリビアは、テロ集団が活動しやすい環境にある。イスラム国の指導者アブマクル・バグダディは、東部のバルカ(ベンガジ州)、西部のトリポリ、南部のフェザーンがすでにイスラム国の支配下にあると表明し、最近もイスラム国の関連組織が21人のエジプト人コプト教徒を斬首・殺害する事件が起きている。とはいえ、リビアにおけるイスラム国の影響力は過大評価されている。人口の95%がスンニ派であるリビアにおける宗派対立のリスクは、イラクやシリアのそれほど深刻ではない。リビアが近く破綻国家と化すというシナリオも取りざたされているのは事実だが、イスラム国がリビアをカリフ国家の一部とするのは容易ではないだろう。・・・
- イスラム国とリビア
- リビアが容易に屈しない理由
- 混乱と政治的空白とカリフ国家
<イスラム国とリビア>
イスラム国に領土を奪われ、大きな危機に直面しているのはイラクとシリアだけではない。イスラム国(とその関連組織)は、この数カ月にわたってリビアにおけるプレゼンスの拡大も試みている。
政治・社会的混乱によってリビアが脆弱な状況に陥ってから、すでに長い時間が経過している。深刻な政治危機と国家制度の崩壊によって権力の空白が生じ、テロ集団が活動しやすい環境が生まれている。しかも、リビアを支配すれば、イスラム国は石油、盗難車、輸出入禁制品、兵器などの密輸ネットワークを手に入れることができる。
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