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プーチン・システムの黄昏
―― 民衆蜂起、クーデター、分離独立運動

アレクサンダー・モティル ラトガース大学教授(政治学)

Alexander J. Motyl アメリカの政治学者、作家。現在は米ラトガース大学教授。専門はウクライナ、ロシアの政治。コロンビア大学、ハーバード大学での教職を経て現職。芸術家(画家、詩人、小説家)としても活動している。

2015年3月号掲載論文

大統領に就任した当時、エネルギー価格が高騰していたことに乗じて、プーチンは450億ドルを着服したが、それでもロシアの生活レベルを引き上げられるだけの歳入が国庫に残されていた。ロシア軍は増強され、プーチンの側近たちも甘い汁を吸った。だがいまや環境は大きく変化した。原油価格は崩壊し、今後上昇へと転じる気配もない。欧米の制裁によるダメージも大きくなり、いまやロシア経済の規模は縮小しつつある。いずれプーチンは予算削減に手をつけざるを得なくなる。しかし、(ウクライナ危機のなかにある以上)軍事費は削れない。(政治的支持をつなぎ止めるために)社会保障費も削れないとなると、唯一のオプションは、側近たちが国家から資金をかすめ取るのを止めさせることかもしれない。ここでシロヴィキによるクーデターのシナリオが浮上する。民衆蜂起が起きる可能性も、非ロシア系地域で分離独立運動が起きる危険もある。・・・・・プーチン体制はいずれ崩壊する。

  • プーチン体制が崩壊する理由
  • 体制変革、三つのシナリオ
  • プーチン後のロシア

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