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欧州連合を崩壊から救うには
―― 緊縮財政から欧州版三本の矢へ

マティアス・マティス ジョンズ・ホプキンス大学ポール・ニッツスクール准教授、R・ダニエル・ケレメン ラトガース大学教授(政治学)

Europe Reborn

Matthias Matthijs アメリカン大学を経て、ジョンズ・ホプキンス大学ポール・ニッツスクール 准教授。専門は歴史、国際経済、ヨーロッパ・ユーラシア研究など。R. Daniel Kelemen ラトガース大学教授(政治学)。専門は欧州連合の政治、比較政治経済学。著書にEurolegalismなどがある。

2015年3月号掲載論文

いまやヨーロッパ市民はヨーロッパ統合プロジェクトの成果を忘れ去り、EUのことを無能な指導者が率い、経済的痛みを市民に強いる組織だと考えている。かろうじて持ち堪えてはいるが、EUは勢いとソフトパワーを失っている。いまや大胆で奥深いアジェンダを掲げるときだ。先ず経済政策の焦点を緊縮財政から投資と成長へと見直していくべきだ。EUの指導者たちは日本の安倍晋三首相が試みている「3本の矢」に目を向け、量的緩和、景気刺激策、構造改革を組み合わせて実施する必要がある。安全保障と自由主義的価値の領域では、外にロシア、内にハンガリーという脅威を抱え、イギリスのEU脱退という問題にも直面している。だが危機を連帯の機会とみなすべきだ。EUの指導者たちは、経済、安全保障、民主主義をめぐって連帯すればヨーロッパはより強くなれるという自信を取り戻す必要がある。

  • EEC危機とEU危機
  • ヨーロッパの新指導体制
  • ロシアの脅威とイギリスのEU脱退
  • ヨーロッパ版三本の矢を
  • ユーロシステムの強化を
  • 安全保障と民主的価値の強化
  • 再生に向けて

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