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サウジの石油戦略シフトとそのリスク
―― 原油低価格戦略にリヤドは耐えられるのか

ビラル・Y・サーブ  アトランティック・カウンシル シニアフェロー  ロバート・A・マニング   アトランティック・カウンシル シニアフェロー

Riyadh's Oil Play

Bilal Y. Saab  アトランティック・カウンシル、国際安全保障センター・シニアフェロー。専門は湾岸諸国とレバント。 Robert A. Manning アトランティック・カウンシル、国際安全保障センタ―・シニアフェロー。専門はシェール革命、米中関係、非伝統的脅威など。

2015年2月号掲載論文

自信過剰に陥っているとき、あるいは、次第に懸念を募らせつつある時期には、いかなる政府も大きな賭に打って出ることが多い。国内では変革を求める動きかあり、隣接するイエメンでは紛争が起きている。そして、イスラム国がさまざまな問題を作り出している。サウジは必要以上に野心的になっているのかもしれない。緊張と混乱と不確実性が高まっているタイミングで、原油の低価格化を放置して、大胆な地政学的賭けに出ている。リヤドはグローバル市場におけるサウジ原油のシェアを増やそうと考えているのかもしれない。だが、この戦略の最大のリスクは国内にある。原油価格が1バレル55ドル前後で推移すれば、2015年のサウジの歳入から890億ドルが消し飛ぶ。予算の50%に達している社会保障給付や公務員のサラリーが削減されるのは避けられず、これが予期せぬ事態を引き起こす恐れもある。

  • なぜ減産をしなかったか
  • 新戦略のリスク

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