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イスラム国に参加した民主活動家たち
―― シリアで何が起きているのか

ベラ・ミロノバ メリーランド大学博士課程、ローブナ・ムリエ  シリア人フォトジャーナリスト、リチャード・ニールセン MIT准教授、サム・ウィット ハイポイント大学准教授

Syria's Democracy Jihad

Vera Mironova モスクワ大学を経て、現在はメリーランド大学博士課程(政治学)Loubna Mrie シリアのフォトジャーナリスト。Richard Nielsen マサチューセッツ工科大学准教授(政治学)。アラブ世界における宗教指導者の急進化を研究テーマにしている。Sam Whitt 国務省を経て、現在はハイポイント大学准教授(政治学)で、シリア内戦を研究テーマにしている。 

2015年2月号掲載論文

バッシャール・アサドの独裁体制を打倒しようと、平和的な反政府運動を組織した若者たちは、アサドの残忍な弾圧を前に自由シリア軍(FSA)に参加して銃をとった。だがその多くは、すでにFSAを後にして、イスラム国やヌスラ戦線などのジハード主義集団に身を投じている。なぜ民主化運動に参加した若者たちが、イスラム過激派のメンバーになってしまったのか。FSAに対する不信、アサド打倒の目的を共有していることなどが、その理由のようだ。実際、いまはイスラム過激派のメンバーとして戦っているものの、彼らの目的は依然として「アサドを倒すこと」にあるようだ。逆に言えば、アサド体制を打倒すれば、彼らは、イスラム主義国家の建設を含む、ジハード主義集団が掲げる広範な目的に背を向けるかもしれない。だが、すでにイスラム過激派はこの問題への対策を取り始めている。・・・

  • イスラム国戦士へのインタビュー
  • 自由シリア軍の解体
  • なぜ彼らはイスラム国に参加したか
  • 宗教教育と欧米民主主義批判
  • ジハードと民主主義の融合?

<イスラム国戦士へのインタビュー>
2011年春、多くの若者たちがバッシャール・アサドの独裁体制を打倒しようと平和的な反政府運動を組織した。この若者たちが、数年後に、現在シリア紛争を戦っている(イスラム国やヌスラ戦線などの)ジハード主義集団に身を投じることになると考えた者は、当時は誰もいなかったはずだ。

この一年で、かつては穏健派で世俗的な民主的改革勢力とみなされていた自由シリア軍(FSA)は、他の穏健派武装集団だけでなく、アルカイダの関連組織であるヌスラ戦線、そして、イスラム国(ISIS)を含むイスラム過激派集団とも連携するようになった。FSAを後にして、他の穏健派集団やイスラム過激派集団に身を投じた若者もいる。・・・

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