ギリシャを搾取したオリガークたち
―― 改革なき緊縮財政の悲劇
Misrule of the Few
2014年12月号掲載論文
ギリシャは緊縮財政を実行し、経済再生を果たしつつあるかにみえる。しかし、ギリシャ経済は依然としてヨーロッパでもっとも閉鎖的で競争力に乏しく、大きな経済格差問題を抱えている。市民が緊縮財政のなかで困窮する一方で、政府は今も改革を先送りしている。依然として一握りの裕福な一族、オリガーク(少数の特権階級の支配者)たちがギリシャの政治を支配し、特権的立場を維持し、権力がもたらす恩恵を政治家たちと共有している。専門職団体と公的部門の労働組合という既得権益集団も存在する。極右・極左勢力が台頭しかねない社会・経済環境にあるというのに、それでもオリガークと既得権益層は、ギリシャだけでなく他のヨーロッパ諸国さえも犠牲にして、恩恵を手にし続けている。
- 表向きの経済回復、変わらない社会構造
- なぜ改革が進まないか
- メディアとオリガーク
- 二つの既得権益集団
- 出口のない窮状と急進派の台頭
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