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中東ではなく、中ロの脅威を重視せよ
―― 欧州と東アジアの同盟国をいかに守るか

リチャード・ベッツ   コロンビア大学教授

Pick Your Battle

Richard K. Betts コロンビア大学教授。米外交問題評議会シニアフェロー(非常勤)。専門は軍事戦略、国防政策など。

2014年12月号掲載論文

イスラム過激派がイラクとシリアの大規模な領土を制圧し、ロシアがウクライナに介入し、東アジアでは中国が軍事力を増強している。ワシントンは大きな選択に直面している。これら危険にさらされた地域に介入せずに、運命にすべてを委ねるのか、それとも、状況を正すために危険な賭に打ってでるのか。政策決定者は二つの設問を考える必要がある。一つは危機にさらされている利益がどの程度重要か、もう一つは、その利益を守る上で軍事力を用いるのがどの程度効果的かだ。この設問への答から考えても、いまやアメリカは戦略的優先課題の焦点を伝統的な国家間紛争に再び合わせるべきだし、ワシントンは中東から完全に手を引けるようになるのを待たずに、最優先課題をヨーロッパとアジアにおける同盟国の防衛に据える必要がある。

  • 教訓をどう生かすか
  • 中途半端な介入を止めよ
  • 限定的介入と空爆
  • なぜ国家建設は失敗したか
  • ヨーロッパと東アジアに焦点を合わせよ
  • 北朝鮮リスク
  • ロシアとヨーロッパ
  • 中国と東アジア
  • 利益とコストのバランス

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