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シリア問題に揺れるトルコ

マイケル・J・コプロ―  イスラエル・インスティチュート プログラム・ディレクター

Turkey's Syria Spillover Problem

Michael J. Koplow イスラエル・インスティチュート プログラム・ディレクター 専門は中東政治。

2014年11月号掲載論文

公正発展党(AKP)政権による統治はトルコにかつてない安定をもたらした。経済成長を実現し、国内のクルド問題への対策をとったことが、こうした安定化に大きく貢献した。AKP支持者でないトルコ人も、現状からみて、「テロや暗殺、軍事クーデター、制御できないインフレの時代は遠い過去へと過ぎ去った」と考えてきた。しかし、イスラム国の台頭によって、シリアとの国境地帯が極度の混乱に陥っているために、こうした安定が大きく損なわれつつある。イスラム国がトルコを直接的に脅かすことはないとしても、シリア難民の流入に派生する経済的重み、国境地帯でのイスラム国とクルド人の戦闘に軍を投入しようとしない政府へのクルド人の反発、ナショナリズムの復活、そして説明責任を負わない情報機関の権限の濫用などがトルコを次第に不安定化させつつある。・・・

  • イスラム国の余波
  • 何がトルコの政治的安定を支えたのか
  • 揺るがされるトルコ社会の安定

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