Sadik Gulec / Shutterstock.com

米軍部隊の投入は避けられない?
――シリア・イラクにイスラム国に対抗できる集団は存在しない

フレデリック・ホフ 前米政府シリア問題担当特別顧問

Are U.S Ground Troop Headed to Syria

Frederick Hof アトランティック・カウンシル 中東研究所シニアフェロー。専門はアメリカの中東外交。米国務省特別調整官(中東担当)、シリア問題担当特使などを経て現職。

2014年12月号掲載論文

イラクには一定の戦闘能力をもつ軍事アセットは存在するが、イスラム国に対抗していく力はもつ集団は存在しない。シリアの自由シリア軍もアサドのシリア軍とイスラム国勢力の双方から攻撃を受け、大きな圧力にさらされている。最優先課題はイスラム国とシリア軍の双方を相手に戦いを続けている自由シリア軍を中心とするナショナリスト勢力を支援することだ。彼らが力を失えば、われわれは非常に深刻なジレンマに直面する。シリアの主要な部隊は(ともに欧米が敵視する)シリア軍とイスラム国の部隊だけになってしまうからだ。・・・トルコ政府はクルド労働者党(PKK)とシリアの「民主統一党」(PYD)をともにテロ集団とみなしているために、有志連合への参加に二の足を踏み、イスラム国に包囲されたコバニ情勢を静観している。これが国内のクルド人の反発を買っている・・・今後、イラクとシリアのいずれにおいても力強い地上戦力が存在しないことが大きな問題として浮上してくる。オバマ政権は「地上軍は送り込まない」と主張してきたが、いずれこの立場を再検討せざるを得なくなるだろう。

  • シリアとイラクでの対抗戦力の欠落
  • トルコのジレンマ
  • イラクにおける米軍事顧問

この論文はSubscribers’ Onlyです。


フォーリン・アフェアーズリポート定期購読会員の方のみご覧いただけます。
会員の方は上記からログインしてください。 まだ会員でない方および購読期間が切れて3ヶ月以上経った方はこちらから購読をお申込みください。会員の方で購読期間が切れている方はこちらからご更新をお願いいたします。

なお、Subscribers' Onlyの論文は、クレジットカード決済後にご覧いただけます。リアルタイムでパスワードが発行されますので、論文データベースを直ちに閲覧いただけます。また、同一のアカウントで同時に複数の端末で閲覧することはできません。別の端末からログインがあった場合は、先にログインしていた端末では自動的にログアウトされます。

(C) Copyright 2014 by the Council on Foreign Relations, Inc., and Foreign Affairs, Japan

Page Top