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「イスラム国」の衝撃
―― 包括的空爆作戦の実施を

バラク・マンデルソーン  ハーバーフォード大学准教授(国際政治)

ISIS's Gruesome Gamble

Barak Mendelsohn  イスラエル出身の国際政治学者。イスラエル軍に5年勤務した後、コーネル大学で博士号を取得。現在はハーバーフォードカレッジの准教授で、専門は国際政治。著書にCombating Jihadism: American Hegemony and International Cooperation in the War on Terrorism (Chicago: University of Chicago Press, 2009)がある。

2014年9月号掲載論文

「イスラム国」はイラクでの最近の軍事的成功を追い風に、シリアでも支配地域の拡大を試み、数日間だったとはいえ、レバノンの国境地帯の町アルサルさえも攻略した。自信を深めた彼らは、いまやイラク、シリア、レバノンの軍隊を相手に戦闘を繰り広げている。その目的は、支配地域を拡大し、戦費を調達するのに有用な石油施設やダムを押さえ、厳格なイスラム主義を制圧地域住民に強要し、ジハード主義集団内で自分たちの優位を確立することにある。すでにアルカイダ系のジハード組織のメンバーが「イスラム国」に参加しつつあることを米情報機関は確認しており、今後、その流れはますます大きくなっていくと考えられる。「イスラム国」の拡大をこのまま放置すべきではない。「イスラム国」と正面から対峙するタイミングを先送りすればするほど、その対応コストは大きくなる。

  • 攻勢の理由
  • 「イスラム国」の目的とは
  • クルド地域への侵攻とアメリカの介入

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