エボラ・アウトブレイク
――感染の封じ込めを阻むアフリカの政治と文化

ジョン・キャンベル 米外交問題評議会シニアフェロー(アフリカ政策担当)
ローリー・ギャレット 米外交問題評議会シニアフェロー(グローバルヘルス担当)
ロバート・マクマホン Editor, CFR.org

The Ebola Outbreak
Pivot Problems

John Campbell
外交問題評議会シニアフェロー(アフリカ政策研究担当)。駐ナイジェリア米大使、米国務副次官補などを経て現職。専門はナイジェリア、南アフリカ、アフリカのHIVなど。
Laurie Garret
米外交問題シニアフェロー(グローバルヘルス担当)。ピュリツァー賞受賞ジャーナリストで、ニューズデイ紙医学担当記者、ハーバード大学フェローなどを経て、現職。専門は新興感染症、再興感染症、バイオテロ、公衆衛生が外交、国家安全保障に与える影響など。

2014年9月号掲載論文

感染者が大量に出血しているときには、内部だけでなく、体外にも出血する。目、鼻、口、肛門、性器などのあらゆる部分から出血し、体液が出てくる。これらにウイルスが含まれている。この意味で、感染者の隔離、遺族たちが死体と接触しないようにすること、土葬ではなく火葬にすること、そして土葬せざるを得ない場合も地中深くに死体を埋めて、いかなる人物もウイルスに感染しないようにすることが重要だ。・・・だが現地の文化的伝統、風習がこれを阻んでいる。・・・医療関係者たちは、社会的に孤立し、現地の人々から軽蔑され、嫌われていると感じている。(L・ギャレット)

ギニア、シエラレオネ、リベリアは非常に弱い国家であることを認識する必要がある。いずれも長く続いた内戦を経験している。これらの地域の一部は、政府の指令を徹底できない状態にある。これら3カ国が急速な都市化を経験していることにも目を向ける必要がある。ますます多くの人が・・・都市部のスラムでひしめき合うように暮らしている。この環境では、エボラ出血熱に限らず、あらゆる病気が蔓延しやすい。(J・キャンベル)

  • 現地の医療関係者の苦悩
  • 西アフリカ諸国による対応
  • エボラウイルスの感染経路
  • エボラウイルスの拡散を防ぐには
  • 対応戦略は存在するか
  • 感染症と政治と文化

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