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不満と反発が規定する世界

マイケル・マザー 米国防大学教授

The Age of Grievance

Michael J. Mazarr 米国防大学教授(国家安全保障戦略)。戦略国際問題研究(CSIS)シニア・プロジェクト・ディレクター、ヘンリー・スティムソン・センター会長、統合参謀本部議長特別補佐官などを経て現職。専門はアメリカの国際戦略と国際安全保障。フォーリン・アフェアーズでは過去に、「破綻国家脅威論の興亡―― 不毛な戦略への決別」を発表している。(フォーリン・アフェアーズ・リポート、2014年3月号掲載)

2014年8月号掲載論文

いまや世界の主要な安全保障リスクは、怒りや反発に支配された国や社会、あるいは、社会に疎外され、取り残されて不満を募らせる集団によって作り出されている。今後、安全保障上の脅威は、傷つけられたと感じ屈辱を抱く人々が、それを克服し、自分の価値を取り戻そうと試みるプロセスのなかで出現するようになるだろう。イラク、シリア、パキスタン、そしてヨーロッパ東部における最近の展開には、このトレンドが共通して認められる。ウラジーミル・プーチン大統領のウクライナにおけるパワープレイも、これまでロシアを軽くあしらってきた欧米に対する積年の恨みを映し出している。中国も例外ではない。不満や反発が中国社会に充満していることは、メディアの報道や大衆文化、さらには教科書の記述やラディカルなネチズンによる過激な書き込みからも明らかだ。さらに日本やインド、そして西ヨーロッパでもナショナリズムが台頭している・・・

  • 不満と怒りが形作る世界
  • 怒りの政治とナショナリズム
  • 忍耐と自制の戦略を

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